こちらの画像を見て頂き、左右の靴の違いがお分かりになりますでしょうか?
もう一枚。
最初の画像の右側、下の写真は左側が通常のセミドレス。スタンダードな#55のラストを用いたモデルです。
それぞれと比較して並べたモデルが、今回ご紹介する“#9338ラスト”を用いた、セミドレスです。
つま先にかけてスッキリとしたラウンドのシルエットが#55ラスト。
#9338ラストは、通常のモデルと比べると、内側(親指側)は直線的で、外側(小指側)にかけてぼってりと広がったラストです。
WHITE’S BOOTSは、南北戦争(1861年-1865年)以前に創業した歴史がありますが、この#9338ラストは1930年から40年頃にかけて使われていたという古い木型です。
1900年初頭からアメリカ軍では戦場で働く兵士の為に、何人もの兵士の足の形のサンプルを採り、履き心地の良い足型とはどういうものかを研究したそうです。考案されたラストは多くの賞賛を得て、長らく軍のシューズに採用されました。
当時は、そういう評判からこういった形状、機能を狙った木型のブーツがアメリカ全土で出回ったそうです。
果たしてこのWHITE’S BOOTSの#9338ラストが、どういうルーツを持つ木型なのかは定かでは御座いませんが、当時の多くのミリタリーブーツに見られる独特のシルエットは少なからず影響があるはず(すいません、あくまで個人の見解です…。)
他のラストと違うのは、形だけではありません。
WHITE’SBOOTSならではの、“ARCH EASE”(アーチイーズと呼ばれる、土踏まずの独特の構造から生み出される履き心地)はありません。
その代り、しっかりと土踏まずから甲まわりはフィット感がありながらも、足先も非常にゆったりと感じるのでこれはこれでまた心地良いです。
独特のこのクラシカルなシルエットがお好みの方、ミリタリーブーツ好きな方、何か次のカスタムオーダーへのネタを探されている方にもおすすめです。
日本では”SWING LAST”とも呼ばれているこのラストのオプション、ぜひ参考にしてみてください。
※このラストを使ってのオーダーは、現在は店頭のみのお取り扱いとなっております。