古きを温ねて新しきを知る ~温故知新~ …Vol 2.5

好きな事というのは程よく大変な方が旨みが増す。
がらにも無くキザなことを書いてしまった。
Vol 2では製造年違いのDannerLightを3足並べて、それを眺めて、あれが違う、これが違うと
能書きを垂れ流しにしていただけだったが、今回は違う。
今回はしっかり遠征して、実際に2つの山行に分けて履き比べて来た。

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早速といきたい所だが、履き心地の感想の前に1つだけ助言(小言)させて頂きたい。
登山用でブーツのサイズを選ぶ際はあまり楽なサイズは良くない。(勿論きつ過ぎも良くない)
上りでつま先が大きく余ると足先の踏ん張りが利き難くなるし
下りはブーツの中で足が前にずれ込んで、これもまた踏ん張りが利き難くなる。最悪の場合は爪の怪我にも繋がる。
見た目のバランスとか楽さではなく、しっかりとフィットしたサイズを選ぶべきだ!!…と思う…。
多少大きめで選んでインソールで調節なんて声も聞こえてくるが、DannerLightはインソールが内蔵されている為
基本的には必要ない。アッパーの革が伸びて内部に余裕が出てきてからがベターだろう。
インソールといえば初期モデルのみそれが内蔵されていない。ライニングに直貼りと。
しかもレザーのインソールなのだ。

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当時はこれが足裏の汗や靴内部の湿気を一手に引き受ける役割になっていたのだ。
本題に戻って履き心地はというと、まずは初期モデルからにしよう。
前回これは山では履かないと書いたが、どうしても真の履き心地を味わいたくなってしまい
この春お世話になった自宅の裏山の散策コースでテイスティングを行った。

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レザーインソールが敷かれているので正直なところ、足裏の感触は少し硬く感じる。
足回りのフィット感は現行のものと比べるとややソフトだ。

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スタート直後に入水を慣行。
初期モデルに使用されていた革は現行とは違いオイルドレザーだった。
今ほど撥水、防水加工の技術が発達していなかったのだろう。
革への適度な油分補給が必要だった。

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そして、このブーツもアメリカの古着屋で乾燥しホコリを被った状態で購入に至った為、オイルアップ等の簡単なケアはした。
手入れはたったそれだけだが、上の写真の通り、アッパーの革にも充分に防水性が戻った。
GORE-TEXを搭載しているという事に甘えず、最善で最高のモノ作りを心がけていたことが容易に感じらた瞬間だった。
ソールのグリップは年代モノによくある硬化が若干見受けられるが良好だ。

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 そして今回のテイスティングの〆は現行モデルを北アルプスで。といこう。
普段は機能系タイツ、ソックスなどのアンダーウェアに身を包んで、甘ったれているが
今回の〆はご覧の通りの肌剥き出し、綿100%ソックスのストロングスタイルで挑む。

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木の根の上や、苔の生えた木の上は心なしか、現行モデルに採用されているミッドソールの
土踏まずにある緩やかなアーチの方が収まりがいいように感じる。
この日は確か25℃前後あったと思うが、筆者ちょっと肉付きが良いので汗も結構かいたが
ブーツ内部はさほど蒸れを感じなかった。
これも足を360°包み込んでくれているGORE-TEXブーティーのおかげだろう。
夏でも冬でも靴内部の湿気は足に良くない。余分な湿気は外に出す。実に優秀な機能だ。

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無論、水場でも高いパフォーマンスを発揮してくれる。
それともう1点。Vol 2で発見した【タン部を横に走る縫い目の謎】だが、筆者はこれの一番の理由は中足部の屈曲性向上の為だと思っていた。
恐らくこれも正解だろう。
優劣は無いが歩行時に屈曲しやすい個所が明らかに違った。
好みは分かれると思うが、どちらかと言うと現行の位置のほうが好みだ。
筆者がDannerのブーツを何気なく山で愛用し始めたのが、約8年前。改めて思う。
こんな凄いギアが38年前からほとんど姿を変えずに、多少のマイナーチェンジだけで
今も登山者の足元に力と癒し、そして安心を与え続け、更にはファッションの分野でもこの機能美で
男女問わず数多のファッショニスタを虜にして来た。
このDannerLightこそ、まさしくアウトドアブーツの完成系と言うほか無いだろう。
最後に。
伝統と革新。この相対する事象が歴史の中で調和され
それによって生まれた相乗効果が具現化した一つが今も尚指示され続けるこのDannerLightだ。
これまでの功績、そして2年後には40th anniversary Year を迎える今後の活躍に乾杯。


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